柿渋を木材に塗布すると、表面がざらざらして毛羽立つことがあります。木材の種類・塗り方などによりざらつき方は一様ではありませんが、今回特に気になるものを拡大して見てみました。
当社の数種類の柿渋のうち、同じような板に塗ったものでも無臭品を使用したものは比較的ざらつきは少なく感じました。
(ざらつきの大きかった下記のケースは、従来からの臭いのある柿渋で中粘度のものです。)
以前に右半分にだけ柿渋を塗った、6センチ×10センチのヒノキの板です。
左半分の無塗装部分の表面は滑らかですが、右側:塗装部分は少しザラザラしています。
(中央部分は紙テープを貼ってマスキングしたため、糊が残って汚くなっています。)
無塗装部分の表面です。
(デジタルカメラ光学8倍で接写しました。)
柿渋塗装部分の表面です。
(デジタルカメラ光学8倍で接写。)
無塗装部分を更に拡大してみました。
(50倍のルーペを用いて撮影しました。)
塗装部分を更に拡大。
(50倍のルーペ使用。)
柿渋は木材に完全に浸透するのではなく、ある部分は浸透し、残りは表面に付着するかたちでの塗装になるのだと思います。
凸凹状に表面に付着して固まってしまうようで、そのため手触りがざらざらになるのではないでしょうか。
耐水ペーパーなどで研磨すれば滑らかにできますが、柿渋は鉄分に触れると黒変しますので、研磨後に再塗装刷る場合は、研磨かすが残らないようにすることが必要です。
柿渋染め製品を販売しています。 柿渋染め帆布(生地)の販売も始めました。